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キオクシアHD 2025年第3四半期決算解説

1. 決算の概要 🚀

大幅増収・黒字転換:2024年2月14日に発表されたキオクシアHDの2024年4~12月期連結決算(第3四半期累計)では、 売上高1兆3,593億円(前年同期比+80.2%)という勢いのある結果になりました。
営業利益は前期の赤字(2,965億円)から一転して4,146億円の黒字を達成し、見事にV字回復を果たしました。

最終利益も2,520億円の黒字(前年同期は2,539億円の赤字)となり、4~12月期としては過去最高益を更新。
2023年12月に上場したばかりで初決算だったので、市場の注目度も高く、決算翌営業日には株価が一気に上昇しました(サプライズ感大!)。

通期最終利益の見通しは2,610億円の黒字(前年は2,437億円の赤字)で、 投資家の期待もグッと上がっています。

用途別(セグメント別)売上:メモリ事業単一ながら、用途別の伸びが結構ハッキリ出ています。
「SSD & ストレージ」は前年同期3,540億円→7,760億円と+119%(+4,220億円)で、企業向けSSDや データセンター向けが絶好調。
「スマートデバイス」(スマホ・タブレット向け)も2,619億円→4,216億円(+1,597億円、+61%)としっかり成長。
「その他」(SDカード、USB、WD向けなど)は1,387億円→1,619億円(+232億円、+17%増)と安定成長を見せました。
やはりデータセンター向けのSSD分野が一番目立つ伸びとなっています。

2. 業績好調の要因 ⚡

NANDフラッシュ市況の回復&価格上昇:2023年後半からメモリ需要が回復してきた上、 主要各社が減産に動いたことでNANDの販売価格が一気に上向き。円安傾向も手伝って、 +6,049億円という大幅な増収につながりました。

AI・データセンター需要拡大:生成AIやクラウド投資が盛り上がり、 データセンターやエンタープライズ向けSSDの需要がグンと伸びています。クラウド企業の在庫調整が終わったのも大きく、 キオクシア経営陣も「AIがメモリ需要を押し上げてる!」と太鼓判を押すほどです。

主要顧客の需要回復&長期契約:2023年前半はスマホ・PC向けが不振で顧客在庫も高止まりでしたが、 後半には在庫が適正化。特に北米のクラウドプロバイダーやサーバメーカーが再びNAND調達を拡大して、 エンタープライズSSDの出荷量が急増しました。長期契約が収益を支えている形です。

生産調整とコスト削減の効果:前年は稼働率低下で1,622億円も余計な固定費が負担でしたが、 今期は生産を調整してフル稼働状態に近づき、コストが解消。歩留まり改善などの効率化も進み、 営業利益は前年より+7,112億円も増えました。

3. 競合との比較 ⚔

主要他社も好転:サムスン電子は2023年Q3に巨額赤字から黒字へ、SKハイニックスもAI需要を受けて収益急回復。 マイクロンもデータセンター向けメモリの追い風でNAND事業が最高売上を更新しています。

NAND市場シェアの動向:サムスンが34~37%でダントツ、SKが20%前後、キオクシアが14~19%の3位。 続くWDが10~13%、マイクロンが11~12%という見方。
サムスン&SKのシェア拡大でキオクシア+WD連合はやや苦戦していますが、両社が統合すれば 24~32%にもなり業界2位に躍り出る可能性あり。ただSKハイニックスが反発して交渉が難しい模様。

キオクシアの競争優位性:NANDフラッシュの「元祖」企業としての技術力が看板。 3次元フラッシュ(BiCS)で先端層数&大容量チップを先取りし、WDとの共同工場(四日市・北上)で 大規模生産を実現。サムスンほどの巨大投資は難しいものの、協業でコストを分散しシェア拡大を目指しています。

4. 株価上昇の要因 📈

好決算に投資家が飛びつく:発表翌日に株価が一時16%高、終値でも9%超アップという大幅上昇。 上場直後の初決算でいきなり黒字転換&過去最高益、というインパクトは相当大きかったようです。

アナリスト評価も好意的:「メモリ市況は底打ちした」との見方が広がり、 会社側の強気な通期予想(最終黒字2,600億円超)も後押し。AI需要が継続する限り エンタープライズSSDなどの需要は堅調と見られ、証券会社なども軒並みポジティブに転じています。

5. 市場のセンチメントと今後の見通し 🔭

2024年はメモリ市場の本格回復か:半導体メモリ全体で需要が回復傾向にあり、 主要各社が減産することで在庫が正常化。AIやクラウド分野の需要が続くうちは NANDフラッシュ価格も下がりづらいという見方が有力です。

調査会社TrendForceは「NAND価格が2023年末に8~13%上昇」とレポートしており、 減産戦略&エンタープライズSSDの需要が価格支えのキーになるとのこと。スマホやPC向けの完全復活には 時間がかかりそうですが、AI&クラウド需要が強ければ大崩れはしにくいでしょう。

6. まとめ 🏁

キオクシアHDの第3四半期決算は、市況回復+生産調整・コスト削減のコンボで大幅黒字化。 「NAND発祥企業」の技術力とWDとの協業が強みで、メモリ需要の盛り上がりにしっかり乗れています。

競合のサムスン、SKハイニックス、マイクロンも一気に巻き返しており、市場シェア争いはさらに激化しそう。 とはいえ投資家は「メモリサイクルが上昇期に入った」と見ていて、キオクシアも強気ムード。 今後も株価・業績の動向に注目が集まるでしょう。

参考資料

本記事の調査には当サイトの「Deep Research」を活用しています。 くれぐれも投資は自己責任でお願いいたします。